猿の惑星

October 07, 2011

もう一度見たい!傑作SF映画:『猿の惑星』

もう一度見たい!傑作SF映画」の第一位は『猿の惑星 Planet Of The Apes (1968)』のようで、私も全くの同感、もう一度この映画:『猿の惑星』について考えてみましょう。
the bridge on Kuai
この映画:『猿の惑星 (1968)』をさらに遡ること10年、もう一つの映画:『戦場にかける橋 The Bridge on the River Kwai (1957)』、どちらもフランス人原作者:ピエール・ブール(Pierre Boulle1912〜1994)に辿り着きます。『地位の逆転』 支配者と被支配者、看守と服役者、主人と奴隷…、植民地経営の監督者の地位から捕虜 の地位に転落するという屈辱的な彼の体験そのものでした。『猿の惑星』の猿は『戦場にかける橋』における日本軍捕虜収容所長であり、連合軍捕虜は長い間支配者として植民地を統治してきた白人でした。

planet-of-the-apes-1024x576第二次大戦に勝利したのもつかの間、次なる東西冷戦、核戦争の恐怖の時代に入ります。新たな敵:共産主義に対してマッカーシーによる『赤狩り』が猛威をふるい、それを背景に作られたのが映画:『猿の惑星』でした。猿はもちろん非白人を現し、オランウータン、チンパンジー、ゴリラの違いはその階層を現すのでしょう、…ニホンザルは登場していませんでしたが。

1877年、正に文明開化の頃、アメリカ人動物学者:エドワード・モース(Edward S. Morse)が当時の欧米で最新の学説であったダーウィンの「進化論」を東京大学で講義したのが始まりでした。欧米でキリスト教会の猛烈な反対を受け、あれだけ議論が沸騰した「進化論」でしたが、「人間は動物・植物と同根」、「人間は自然の一部である」という日本人の思想とは馴染みやすく、モースが拍子抜けするほどすんなりと受け入れられます。

欧米のキリスト教社会では、「創造主なる神」によって天地万物の全てが創造されたとする。「人間は地を這うもの全てを支配させるために、神が特別に造った存在である」、人間はどこまで遡っても、あくまで人間であるように、すべての動物・植物もそうである。その姿・形は「神様が造ったそのまま」から一切変化しない。この欧米キリスト教の「創造説」は16〜19世紀、大航海時代、黒人奴隷制度を正当化・補強する重要な役割を果たしました。この時代に反奴隷制度の立場で登場したのがダーウィンの「進化論」でした。

「進化」、「自然選択」、「存在し続けるための努力=生存競争」、その後、自然選択をわかりやすく説明する語彙として「適者生存」が使われるようになります。こうして帝国主義の時代、「進化論」は欧米のアフリカ・アジアの植民地政策を正当化、「優生学」はナチスによるユダヤ人抹殺を科学的に補強、日本では皇国史観と「進化論」は共存することになります。scarecrow at forbidden zone『猿の惑星』、一切の立ち入りが禁止され、その理由は不明、口にするのもタブーとされている『禁断地帯(Forbidden Zone)』

猿の聖典(聖書)が書かれたのは1200年前。この地の2000年前の地層から精巧な冶金技術がないと作れない道具が発掘された。我々(猿)の文明以前に、よりすぐれた(人間の?)文明があったのでは…。

コーネリアスは禁断の学問、『進化論=猿の祖先は人間である』を証明するために…、テイラー(チャールトン・ヘストン)は人間の優位を証明するために…、彼等は足を踏み入れます。
Last scene of the planet of the apes

過去10年間に行われたギャラップ調査において、アメリカ人の44〜47%が次のように答えています。

「神が過去1万年ほどの間に、人間を現在のような形で創造したと信じている」

Momo holding sign board-HKX Radio※Nobu, Kun & Isa Band の今までの曲は左サイド、I Pod 風のプレーヤーでお聴きになれます。
   
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June 20, 2007

「猿の惑星 」  The Planet of Ape

先日、2001年公開のリメイク版がテレビで放映されましたが、やはり『猿の惑星 The Planet of Ape』と言えば1968年公開、主演:チャールトン・ヘストンのそれでしょう。 原作にはなかったそうですが、この衝撃的なラストシーンは印象的でした。もう一つ、「何故、主役がチャールトン・ヘストンなの?」…が、公開当時からの疑問でした。何か、原作と映画との間に微妙なねじれがあるようです。
Last scene of the planet of the apes-2
伝記はWikipediaに譲るとして、原作者:ピエール・ブールは第二次大戦勃発前の1938年から数年間におけるインドシナで過ごします。当初ははイ ギリス領マラヤにおけるゴム農園の監督者として、大戦が勃発するとフランス軍に志願、フランス降服してからはレジスタンスの一員として諜報活動に従事しま す。1943年ビシー政権側に捕らえられサイゴンにて終身刑に服しますが、翌年、彼は脱獄に成功します。彼の強烈な体験は、後planet of apeに彼をして二つの大ヒット作 を書かせることになります。
bridge on the river kwa
一つは、『戦場にかける橋』 (Le Pont de la Riviere Kwai 1952)、その10年後に『猿の惑星』 La Planete De Singes 1963)、それぞれ映画化され、『戦場にかける橋』(The Bridge on the River Kwai 1957)、『猿の惑星』(Planet of the Apes 1968)、いずれもアカデミー賞作品賞。


2つの作品の共通テーマは、小説・映画を問わず、「地位の逆転」です。看守と服役者、主人と奴隷(あるいは使用人)…、植民地経営の監督者の地位から捕虜 の地位に転落するという屈辱的な彼の体験そのものなのでしょう。この意味で、多くの人が言うように、『猿の惑星』の猿は『戦場にかける橋』における日本軍 捕虜収容所長であり、猿=日本人、と描かれている説に賛成してしまいます。

ピエール・ブールの体験した第二次大戦は既に終わっており、共産主義の台頭する、冷戦の時代、核戦争の危険を胎むカタストロフィーの時代に入っています。ハリウッドにも吹き荒れたマッカーシズム(反共「赤狩り」)の嵐が過ぎ去った直後に作られたのが『猿の惑星』でした。

マイケル・ウイルソンに依る脚本は人類破滅後の世界を描き、同時に「赤狩り」時代に生きた自分(人間)をこの映画に重ねているとの説もあるようです。

チャールトン・ヘストンと言えば、1959年、『ベン・ハー』でアカデミー賞主演男優賞を獲得、容姿・キャラクター共に白人・アメリカ人を象徴する俳優。 1968年の『猿の惑星』では宇宙飛行士役の彼が、猿に捕まり、手かせ・足かせをはめられ檻の中に入れられる、奴隷・服役者・奴隷を演じます。その対比が 極端で、よく彼がこの配役を承諾したと思うのですが、今や82歳、元全米ライフル協会会長としても有名な保守層の代表者、どこか『新・猿の惑星』を見るようです。

本業にもお越し下さい。
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ISAO

映画・音楽・歴史、そして、自己流ながら、水彩画を描いています。思いついたことを、気の向いたままに、イサオなりに、深く掘り下げていきます。 ※お気づきの点、改善すべき点をどうぞお聞かせ下さい。

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