犬の散歩
July 14, 2013
散歩の途中<3> もも
「もも」が我が家にやって来て7年が経ちました。「仲良くする」とは当初からの約束ですが、決して、「世話をする」とは言っていません。彼女がやってくる前には、野良上がりの猫を飼っていました。野良猫当時、家の中に入れ食べ物を与えたりして可愛がり、夜になると…「じゃ…、またね!」と、真冬の寒空の下に放り出しておりました。今から思えば、酷なことをしておりました。器量も頭も良かった彼女ははある日、「うちの子にしよう!」の娘の一言で真冬の寒空・飢えから開放されることになり、以降、我が家の一員になり、単なる普通名詞、愛称:「猫」から固有名詞、彼女の名前:「ね子」に格上げされることになりました。
子供たちも家を出てしまい、我が家は夫婦と「ね子」の3人。ささくれだったポー・パッド(肉球)も、ぬくぬくとした囲われの暮らしが長くなって、ピンク色に変わりました。それまでの野良生活ゆえ、年齢は不明、どんな生活を送っていたかも不明ですが…、ある時、どうも元気がなくなり、遂には横になって過ごすようになってしましました。かわいがっていたカミさんが添い寝するようになり1週間ぐらい…、私が帰宅すると彼女は既に息をしていませんでした。近くのお寺で葬式を済ませましたが、喪失感が大きかったのか…、今度はカミさんが鬱、沈みがちになってしまいました。
その喪失感を埋めるために、犬を飼うことになったのです。最近は「ペット可」のマンションや団地が増えているようですが、当団地は「ペット不可」、これを知りながら犬を飼うのはやはり申し訳なく、禁教令を破った、いわば「隠れキリシタン」、出来る限り皆さんにご迷惑をかけないようにしなければなりません。そこで、カミさんは犬に関して猛勉強、ラブラドールのような大型犬は論外にして、一時流行ったチワワのような小型犬は男の私が散歩する相手としては役不足、プードル、コッカスパニエルはそのカット代が我々夫婦のそれよりも高額ということで却下、結論としては、なんとか小型に分類される中型犬:ビーグル犬に決まりました。人懐こくて、吠えない、カット不要の毛の長さ…は良いのですが、匂いをかぎ出したら我を忘れ、飼い主も根負けする運動量に付き合うのは大変です。

当初の約束にもかかわらず、「もも」の朝夕の散歩は当面私が担当することになりました。加えて、後出しジャンケンのような梅雨明け宣言以降の猛暑、日が高くなってからの散歩は無理、ということで、朝6時過ぎは気持ちがいいのですが、夕方の5時はまだまだ暑くうんざり、お陰で就寝時間も早まり、9時に寝て5時に起きる、シャクですが…一気に年をとってしまいました。夜明けとともに起き、日が沈むと寝る…、「節電の極意」のような生活ですが、どうもこれでは一日が短い上に、その大半を「もも」の散歩に使っているようです。禁教令廃止に向けての運動も進んでおり、夜明けもそう遠くないようです。
