満州

July 08, 2012

2千年に及ぶ遙かな旅 靺鞨〜女真〜満州

1957年、二人の若い男女が伊豆天城山で拳銃自殺するというショッキングな事件が発生します。男性は大久保武道、そして女性は愛親覚羅慧生(あいしんかくらえいせい)、共に学習院大学2年の同級生でした。慧生(えいせい)は、あの清朝最後の皇帝:愛親覚羅溥儀(ふぎ)の実弟:溥傑(ふけつ)と嵯峨公勝侯爵の孫娘:浩との間の長女でした。武道は秋田県八戸の出身、同郷(青森市出身)の高木彬光には身近な存在でした。
天城トンネル_4

高木彬光(1920 - 1995)はこの「天城山心中」事件をきっかけに推理小説:『成吉思汗の秘密(1958)』を書きます。「義経=成吉思汗」説です。平泉を逃れた義経は八戸の豪族の娘と恋仲になり鶴姫という女子をもうけるが、母娘を八戸に残して大陸に去っていく。鶴姫は成長して八戸の豪族の若者と恋仲になるが、両家は不仲、二人の仲は悲恋に終わります。この悲恋伝説は昭和の日本に輪廻して「天城山心中」になった、と語られています。

どちらも言語的にツングース系ですが、成吉思汗(1162? - 1227?)はモンゴル族、一方の清朝愛親覚羅家は女真族=満州族。現在の中国東北部に混在、あるいは隣接していたのか…、それにしても、モンゴル族と女真族=満州族は別もので、この悲恋輪廻説は成り立たないことになります。

女真族の歴史を遡ると…、

BC1世紀頃、朝鮮半島北部鴨緑江一帯に高句麗(BC37 - 668)をたてます。大和朝廷誕生以前に渡来しており、海を越えてやって来たということで、越と呼ばれました。越前・越中・越後がそれです。唐に滅ぼされると、多くの高句麗人が帰化、その地の多くは「コマ」という地名がつきます(東京都狛江市)。
7世紀末には高句麗の遺民と靺鞨が合して渤海国をたてる。倭国は「白村江の戦い(663)」で敗れ朝鮮半島での足場を失い、676年の羅唐戦争で新羅が唐軍を半島から追い出して羅唐関係が断絶、倭国は半島経由での遣唐使派遣が出来なくなり、現在のウラジオストック近くに上陸、渤海国経由で長安(唐)に渡った。
10世紀、遼(=契丹)に滅ぼされ、渤海遺民は契丹の支配下で女真と総称された。
12世紀、遼に服属していた女真の反乱により金が建国(1125)された。金はその10年後には遼および北宋を滅ぼし(1126)、新たに再興した南宋と対峙することになる。 ※ この頃、日本は平安末、NHK大河ドラマ:『平清盛』の時代。その栄華もつかの間、治承・寿永の乱(源平合戦)で平家が滅亡、源頼朝による鎌倉幕府の成立に至る。ヨーロッパでは前世紀に続き十字軍の遠征が続く。

13世紀、モンゴル帝国に滅ぼされる(1234)。
 ▼ 
17世紀、女真族は満州に後金(こうきん)を興し、1636年に国号を大清に改めた。清は1644年に明滅亡後の中国を支配します。
20世紀、「辛亥革命(1911)」、中華民国(漢族)により滅ぼされる。
 ▼ 
1932年、愛親覚羅溥儀(ふぎ)を担いで日本はその傀儡:満州国をたてます。彼の実弟:溥傑(ふけつ)と嵯峨公勝侯爵の孫娘:浩との結婚は愛親覚羅家と日本皇室との政略結婚でした。 

幾度となく国を建てては滅び、滅んでは建て、北辺あっては蔑まれながら、広大な大文明国:中国を征服、250年間に渡って支配した女真族=満州族でした。

君は映画:『ラスト・エンペラー Last Emperor (1987)』を見ただろうか?

1967年、中華人民共和国の首都:北京、『造反有理!』の紅衛兵運動が猛威をふるっていた時代。すでに人民に広く開放されている紫禁城、かつて自分が座っていた玉座を前にしています。幼い紅衛兵の少年が「お前は何をしているのか?そこは立ち入り禁止だ!」 老いた溥儀(ふぎ)は玉座に上がり、勝手知る玉座の裏からほこりだらけの容器を探り出して少年に渡します。少年が蓋を開けると、なんと、昔、可愛がっていた(?)コオロギが現れます。少年が見たのは幻だったのでしょうか?

1987年?、ガイドが観光客を引率して玉座を案内するラストシーン。その説明が聞こえます。「清朝最後の皇帝:溥儀は3歳でこの玉座で皇帝に即位し、1967年に他界しました。」


2012年、満州族は中国少数民族の一つ。人口は1千万前後。都市部に多く居住、学問を重視する傾向にあり、多く の文人を輩出している。

※ Amazon: 「成吉思汗の秘密」   DVD 「ラスト・エンペラー」 

Momo holding sign board-HKX Radio※今までの曲は左サイド、Music Playerでお聴きになれます。 
Your Support, Please. ▼ ボタンを押して下さい。このサイトの順位がわかります。
にほんブログ村 歴史ブログ 諸文化の歴史へ にほんブログ村 音楽ブログ カントリーミュージックへ 人気ブログランキング

Profile

ISAO

映画・音楽・歴史、そして、自己流ながら、水彩画を描いています。思いついたことを、気の向いたままに、イサオなりに、深く掘り下げていきます。 ※お気づきの点、改善すべき点をどうぞお聞かせ下さい。

Back Issues At A Glance
Comments
ISAO's Bookshelf
人気ブログ ランキング
NINJA
Search