楢葉町

March 13, 2013

あれから2年

生まれは九州、次は本州を通り越して、北海道の紋別、そして四国愛媛県の新居浜で小学校入学、以降、学生時代・成人して就職・結婚を大阪で、シドニーを経て、東京に、…といっても都下、西の端:町田に辿り着きました。今やそんな心配をすることは全くなくなったのですが…、有名人になってインタヴューを受け、「ご出身は…?」、と聞かれた場合、どう答えたらいいのだろうか…、と悩んだことがありました。九州は生まれただけで記憶にもなく、かと言って、北海道、四国でもなく、強いていうならば、大阪でしょうか…。ただただ、仕事が理由で、縁もゆかりもない、町田に住んで25年、「住めば都」になりました。
 
福島県双葉町ゲート

「3.11」が巡って来ました。あらためて亡くなられた方々のご冥福をお祈りします。未だ放射能漏れ収拾の付かない福島第一原発周辺の住民:8万5千人が強制的に避難させられ、自主的かどうかは別に、5万7千人が県外にて避難生活を強いられています。テレビを見る限り、中年以上と見受けられる方々が故郷に「帰りたい」意識が強いようです。残酷な言い方をお許し願いたいのですが、「帰れない」と思っている人も多いのではないでしょうか。子供を持つ若い両親の家族であるならば「帰りたい」、けど「帰らない、戻らない」というのが本心ではないでしょうか。よしんば、彼等若い世代に「帰りたい」という強い気持ちがあったとしても、そこに彼等の働く仕事がなければ、実現は無理でしょう。仕事がない、若者がいない故郷に帰って彼等:中年以上の人たちはどうやって生きていくのでしょうか。彼等は老いていきます。放射能汚染で、今まで漠とは予測されていた老人社会の到来が予測よりも早く現実になるということではないでしょうか。

こうして始まった「ふるさとに戻るための除染作業」、福島県楢葉町でのそれはあまりにも気の遠くなるような作業です。先ず、屋根瓦に始まる15箇所の空間放射線量の測定、屋根瓦:約3,200枚を水で濡らした紙タオルで一枚一枚拭き取り、拭き取ったそのタオルは廃棄してビニール袋に、雨樋を高圧洗浄、その汚染水は同じくビニール袋に入れて回収、庭は雑草を刈り取り、表土を3cmまで掘り下げ、その土を回収、新しい土を入れる。開始当初、毎時:0.38mSvであった一軒の線量は、5人の作業員が12日間を費やして約90%が終了、毎時:0.23mSvに減少したそうです。毎時:0.23mSv×(8時間+0.4×16時間)×365日=年間:1,208mSv。 作業員の日当:1万円として、1万円 X 5人 X 12日、 一軒につき 60万円の除染費用。該当軒数がどのぐらいあるのかは判りませんが、政府の予算は2011〜2013年度(3カ年)で1兆696億円、森林の除染は人間の利用する場所からわずか20mまで、これに仮置き場所、中間貯蔵施設、最終処分費まで加えたら…、あまりにも気の遠くなるような話で、計算する気にもなりません。

巨額の公共事業:除染作業、ゼネコンへの丸投げに始まって、暴力団の関与とピンハネです。どこか「シジフォスの岩」に似て、いくら努力しても達成感のない作業に現場作業員の士気が上がるはずがありません。

巨額の費用をかけて果たした故郷への帰還、他の地域よりも早くやってくる老人社会、国・福島県・市町村にその備えがあるのでしょうか?残念ながら、彼等を支えるはずの若い世代が故郷へ帰るとは思われません。「除染にはお金がかかる。新しい土地で新しい生活を始める資金として渡して欲しい」、というのが若い世代の思いではないでしょうか。

チェルノブイリ事故の時は、ベラルーシで33万人、ウクライナで16万人以上が移住したと報告されています。放射能の影響を受けやすい幼い子供のある家族、避難先で仕事を見つけた人は、帰還を断念して、そこを第二の故郷にすべきではないか。故郷へ帰れないのであれば、それを償うのは…、次善の解決法としては「お金」しかないのではないでしょうか。あれから2年が過ぎました。「住めば都」を実感する私の意見です。

※ Amazon:シジフォスの神話

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express01 at 12:04|PermalinkComments(0)TrackBack(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック
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ISAO

映画・音楽・歴史、そして、自己流ながら、水彩画を描いています。思いついたことを、気の向いたままに、イサオなりに、深く掘り下げていきます。 ※お気づきの点、改善すべき点をどうぞお聞かせ下さい。

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