原発事故

March 12, 2014

「ただちに影響はない」から、まだ…、もう…3年

東北震災・福島東電原発事故から数ヶ月は経っていたでしょうか…、被災され、見知らぬ土地で不自由な避難生活を送っておられる方々がマスコミのインタビューを受け、早く自分の故郷へ帰りたい、との希望が多かったのですが、その多くは高齢者のように見受けられました。
避難指示区域
その土地が放射能汚染で居住が困難な地域と判断されたのであれば、先祖何台にも渡って住み続け、慣れ親しんだ土地を離れるのは辛いでしょうが、「住めないのであれば、くやしいが、先祖伝来の土地を棄てるしかないのではないか…、喪失したものを埋め合わせることが、そして、被災前の状態に戻すことが不可能であることが自明であるならば、実現出来る次善の代償は<<金銭的解決>>以外にはないのでは…」、とはその時の私の考えでした。こんなことを言えば、当時、白い目で見られたことは必定、そのインタビューするマスコミも当然の反応を期待し、日本国中が被災者に強い同情を寄せ、「金銭的解決など不謹慎極まりない」という「空気」の中にいたのでしよう。

当時、中学・高校に入学した彼等は、3年後の今春卒業するのです。年取った私にはあっと言う間の3年でしたが、十代の彼等にはその生涯を決定する重要な成長期、「ただちに影響はない」とか悠長なことを言っている場合ではありません。その親からしてみれば、出来る限り福島第一原発から離れた所で生活しようとするのは致し方ないことです。何歳ぐらいで、あるいは、どのような家庭環境で…、その考えが異なるのかは判りませんが、私の年代:年寄りなら放射能の影響は大したことはないでしょう。…が、しかし、中・高校生以下の子供の居る家庭では話は別です。親は家族のために職を探し、家族全員で避難した土地に早く馴染み、溶けこんで行こうと努力したことでしょう。その彼等が必要とするのは、災害復興よりも、新しい土地で、新しい人生を切り開いていくための資金であるはずです。「金銭的解決」です。

新しい土地に馴染んでしまった若い世代は将来、仕事のない、福祉のない、学校のない土地に戻ってくるでしょうか?関西に避難している、福島県大熊町出身者の67%、浪江町出身者の82%は戻らない・戻れないと言います。若い世代の帰らない、帰れない先祖墳墓の地に、私の年代以上の年寄りが帰って、年寄りだけでどうやって生活するのでしょうか。

先日のNHK、宮城県石巻市は280戸の高台移転計画を作った当初の申し込みは167戸、そのうち、帰還場所は確保したが50戸は建築を断念、残り117戸、計画全体の40%しか建築に至っておらず、ローンを組めた半数以上が60歳代という。住民がいない地域にスーパーなどの小売店舗、美容院などのサービス店舗が入るはずがありません。

以前から言われていますが、「少子高齢化」社会、30年〜50年後の日本社会が、現在の東北地方に出現したのです。仙台を除いて、東北の人口は減少、2040年には現在:2014年の60%になるのです。岩手県大槌町、480億を投じて高さ:14.5mの防潮堤を作る計画だそうですが、これが実現したとして、大槌町の景観はどうなるのでしょうか…防潮堤は不要とは、津波で肉親を失った方を前にして言えないことです。Israeli_West_Bank_Barrier防潮堤の維持・管理にもお金がかかります。イスラエルとヨルダンの分離壁を連想するのですが…、次の世代はそんな防潮堤に囲まれて生活するのでしょうか?

もう一つ、私の誤解かも知れませんが、「除染」にどれだけの効果があるのでしょうか?やらないよりも、やったほうがまし…なのでしょうか?「除染」されたとして、その地に年寄りだけが住むのでしょうか?

東北大震災、よく言われたように「千年に一度の大災害」であるとしたら、その復興計画は少なくとも、50年〜100年後を見据えたものでなければならないでしょう。日本の人口は江戸時代はじめに1千万、明治維新(1686)に3千万、現在は1億3千万、50年後、2060年の日本の人口は、36%減少して8674万に、少子高齢化がさらに進み、65歳以上の老年人口の割合が現在の23.0%から39.9%まで上昇。逆に、生産年齢人口(15〜64歳)は8173万人から4418万人へと、46%も減少すると予想されています。

1986年、旧ソ連チェルノブイリ原発事故、死亡:4,000人、強制移住等:数十万人以上、この事故から5年後の1991年、ソ連は崩壊します。エネルギーに逼迫するウクライナは爆発した4号炉以外の原子炉を2000年まで稼働を続けました。ソ連からの独立した1991年、ウクライナの人口:5千2百万人は2010年には4千5百万人減少、現在クリミヤ半島帰属問題でロシアと紛糾中、事態が悪化すればロシアからの天然ガス供給を停止されることになるでしょう。 

「ただちに影響はない」から、まだ…、もう…3年が過ぎました。あらためてご冥福をお祈りします。

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express01 at 19:38|PermalinkComments(0)TrackBack(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック
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ISAO

映画・音楽・歴史、そして、自己流ながら、水彩画を描いています。思いついたことを、気の向いたままに、イサオなりに、深く掘り下げていきます。 ※お気づきの点、改善すべき点をどうぞお聞かせ下さい。

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