リチャード1世

March 01, 2012

歴史の分岐点

Minamoto_no_Yoritomo1192年、日本史で言えば源頼朝が鎌倉幕府を開いた年。同じ頃、地球の裏側は、獅子心王(Lion Heart)の異名をとったイングランドのリチャード1世のサラディン軍相手の戦闘と講和、第3次十字軍(1189年〜1192年)の時代でした。戦闘でイスラム側の捕虜となるも、同じ収容所の仲間、ムーア人と一緒に脱獄、母国:イングランドに帰り、国王の留守を狙king richardって政権奪取を狙う地方行政官(Sheriff)と戦う義賊の頭領:ロビン・フッドの物語で、映画:『ロビン・フッド(Robin Hood: Prince of Thieves 1991)』ではケビン・コスナーが演じています。ロビン・フッドは実在の人物ではありませんが、この映画の時代考証はどうでしょうか…。

Robin_Hood_telescope

一緒に付いてきたムーア人が望遠鏡を取り出して未だ遙か彼方に居る追っ手を見つけます。「見てみろ」とその望遠鏡をロビン・フットに手渡すのですが、望遠鏡をのぞくと追っ手が目前に迫って見え、彼はあたふたと剣を抜いて闘おうとする始末に苦笑します。ムーア人は、望遠鏡はともかく、爆発物(火薬)を作り、使うことは出来たのでしょう。時代がしばらく下って鎌倉時代、文永(1274)及び弘安(1281年)の役と2度に渡る「モンゴル襲来」では爆発物(火薬)に度肝を抜かれる日本でした。12世紀末のイングランドにも、13世紀末の日本にも、未だ火薬が存在しない、いずれも文明の及ばない辺境に過ぎなかったのです。

8世紀にはイスラム勢力がアフリカ西北部に進出、ムーア人と呼ばれていました。彼等はジブラルタル海峡を渡って、711年西ゴート王国を滅ぼし、イベリア半島を支配していました。タラス河畔の戦い(751)で捕えられた唐の捕虜から製紙技術がイスラム世界に伝わったとされ、12世紀にはアンダルシア地方でも生産されるようになりました。

東地中海では、1453年ビザンツ帝国がオスマン朝トルコにより滅亡、逆に西地中海では、ポルトガルが徐々にイスラム勢力を駆逐、1492年グラナダが陥落し、レ・コンキスタが完成しますが、東地中海を放棄、ジブラルタル海峡の西、大西洋に活路を見いだします。ここまでは、ギリシャ・ローマ文明の後継者である西ヨーロッパキリスト教(ローマカトリック圏)文明の大敗でした。wine_press

15世紀には、イベリア半島を通じて製紙技術及び木版印刷技術がヨーロッパに伝わったと思われます。中国起源の木版印刷技術はバレンで「摺る」ですが、ヨーロッパでは普及しませんでした。1445年頃、グーテンベルグ(1398 - 1468)はアンチモン合金のguten_press活字、この活字を並べて組版します。地中海世界で古くから使われているオリーブ・ぶどうの圧搾技術(搾油・搾汁技術)を応用して、凸面に付いたインクを紙に押し付ける、「プレス (Press)」する活版印刷機を発明しました。

これを機に、従来ラテン語で印刷されていた聖書がそれぞれの国の言語で印刷されるようになり、自らの言葉で聖書を読む=聖書への復帰と言う形で、宗教改革に発展していきます。グーテンベルグ以降の50年間に作られた印刷本の数は、それ以前1000年間に作られた書籍の数の何倍にも達したというように、旅行記・地図の出版が新たな地理的発見を生むことに繋がり、1543年の地動説、1609年のケプラーの法則、1687年のニュートンの万有引力の法則の発見等の科学技術の爆発的膨張はその後、ワットの蒸気機関の発明(1769)そして産業革命、近代市民革命、国民国家の成立につながって行きます。
鉄砲
ギリシャ・ローマ文明を生んだ地中海が原産の(…かどうかは知りませんが…)オリーブ・ぶどう。その搾油・搾汁技術の要は「ネジ」です。その「ネジ」は、1543年、種子島に漂着したポルトガル人のもたらした鉄砲と共に日本に持ち込まれました。1600年「関ヶ原の戦い」では5万丁の鉄砲が投入されますが、これをピークに鉄砲の生産は減少、江戸時代になると鉄砲の技術的発展は全くなく、銃把(=グリップ)の装飾に贅をこらすなど、兵器=道具としてよりも意匠・工芸美術品に成り下がり、とうとう日本から姿を消してしまいました。

「十字軍派遣」は歴史の大きな分岐点でした。

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ISAO

映画・音楽・歴史、そして、自己流ながら、水彩画を描いています。思いついたことを、気の向いたままに、イサオなりに、深く掘り下げていきます。 ※お気づきの点、改善すべき点をどうぞお聞かせ下さい。

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