ベビー

January 20, 2007

「もっとオムツを!プリーズ!」 香港ベビーブーム

我がHong Kong Express の香港駐在員:李さんは東京都出身で香港人男性と結婚、二人の間に1人の子供さんを持つ家庭の主婦です。

彼女の香港ライフレポート:【九龍好々飯店】1月12日付タイトル「金運の猪(ブタ)年」では…
<<私もそろそろ第2子が欲しいな…とつぶやけば、「ブタ年に産め!」と、こちらの人から口々に急かされてしまいます。 …産まれた子供は香港市民の権利を貰える美味しいオマケ付きなので、ブタ年には大陸からの経済的に恵まれた妊婦で、産婦人科はごった返しになるでしょう。>>…と、彼女の話は少々悠長に聞こえます。

…がしかし、事態は彼女の個人
香港 出産的な家族プランを遙かに超え、中国との国境をまたいだ一大社会問題の様相を呈しているように思えます。

【少子化・高齢化問題 → 出生率向上計画】 + 【経済活性化を目的に大陸からの観光客誘致】 + 【香港大陸間の医療格差】 + 【大陸富裕層の急増】 + 【金運の猪(ブタ)年】 = 【大陸妊婦の香港への殺到】


昔、日本で「丙午(ひのえうま)」問題があったことを記憶していますが、今回の香港「猪」問題は逆丙午(ひのえうま)、それどころ
ではないでしょう。日本では、団塊世代最初の塊(かたまり)が退職する「2007年問題」の年。団塊世代はその世代的特徴云々というよりも、その【圧倒的な数】が問題なのです。中国の急速な経済成長は国際社会・政治・経済・環境・資源…等々に甚大な影響を与えており、まるで世界の【団塊世代】と映るのは小生だけでしょうか。

News Week International が詳しくレポートしているので訳してみました。

News Week
「もっとオムツを!プリーズ!」
大陸人が香港の産科病棟を圧倒
By George Wehrfritz

10月は香港プリンスオブウエールズ病院の産科にとってつらい月でした。
平均して毎日6人、中国本土からやって来た女性が同病院の産科を訪れました。彼女たちの多くは出産間際で、医師、看護士、助産婦はてんてこ舞い、産科病棟収容能力の約2倍に達しました。「既に産気づいている人、合併症を起こしている人、破水している人もいます」とは同産科責任者:Danny Leung 医師の話で、彼のチームの助けを求めてやってくる典型的な中国人女性を表現しています。「問題は彼女たちを全く知らないということです。データなし、超音波診断記録なし、妊娠期間不明、判ったとしても間違い…」。緊急事態の場合は極度な緊張を強いられることになります。

これが国境をまたいで予想外の展開を示す香港の最新ベビーブームの苦難です。過去2年以上、多くの女性が中国本土から大挙して押し寄せ出産しており、今や香港の産科病棟はさながらEW(緊急病棟)の様相を呈しています。病院当局は公の病院における出産の1/3が無資格者の出産と判断しており、来る3月期年度において2万人を超えるものと予測しています。

どうしてそんなに多くの人がやって来るの?確かなことは、香港の最新医療を受けるため、中国大陸における一人っ子政策を回避するためなのですが、大多数が生まれてくる我が子に香港市民権を取得できるものと信じているからでしょう。「それはまさに、かつて多くの香港人がカナダやアメリカで子供を産むために渡ったのと同じで、違いは、今は我々は受け手であることです」と香港当局者は自嘲気味。

この香港への殺到は、ある意味では、人口統計上の天の恵みということができます。香港は世界で最も出生率が低い国の一つで深刻な高齢化に直面しており、従って当局が提唱するけちな出生率向上計画をさらに加速するために、最高行政官:Donald Tsang氏は若いカップルに「子供3人政策」を推奨してきました。

しかし、この大陸からの殺到が理由で香港人女性へのケアに障害が起きると多くの香港人は危惧しています。生まれてくる子供に香港パスポートを、という来訪者の思いは耳障りな不協和音を発しています。大量の新参者が無料の教育や社会福祉、安い医療サービスを要求するであろうと香港居住者は見ています。「香港は制御不可能な大陸の赤ちゃんを目前にした」、「これらの子供達の数、あるいは何時彼らが再入国するのかを予測、制御する方法は全くない」とシンクタンク:Savantas 政策研究所は警告しています。

香港政府は中国政府に懸念を伝え、市病院当局は数週間以内に実施すべく、香港非居住者には2倍の費用:5,000ドルの適用、助産婦賃金のアップ、入国前の妊産婦の健康診断の義務化等、大陸からの殺到を抑制する一方、産科受け入れ体制の強化する方策を明らかにした。「我々は北京政府が門を閉ざしてくれることを望んでいます」と香港健康保健食糧庁 Frank Choi氏。

香港の今日におけるベビーブームは過去における2つの重大転機に起因する。1つは、2001年裁判所は香港で生まれた子供及び大陸にるその両親に居住権を与える判断をし、2004年には香港政府は同経済活性化のために大陸からの観光客を歓迎する方策を打ち出したことに起因します。過去4年間に多くの中国人女性が出産を目的に合法的に香港に旅行し、彼ら子孫の居住権を取得する結果となりました。

多くの専門家は中国政府がこの大量出国をやめさせない限りはこのベビーブームは続くものと予測しています。このことはいくつかの大問題を引き起こすことになります。生まれた子供達が香港にとどまり、後に勉学や仕事のために香港に帰ったり、単に取得したパスポートを使って一般中国人からは想像できない自由さで旅行をするようなるのでは…ということです。元香港政庁治安担当長官:Regina Ip 氏を含む識者の意見では、香港非居住者を両親に持つ子供には香港滞在を認めないとの香港基本法の改正すべきだと主張しています。しかし、新しい住人の誕生を歓迎する人たちもいます。Leung医師には毎日彼女たちが産科病棟を訪れることを拒否する理由は何もなく、ただ彼女たちが事前に適切な検診と病院の予約をしてくれることを願っているだけなのです。

本業にもお立ち寄り下さい。↓
 
Hong Kong Express
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ISAO

映画・音楽・歴史、そして、自己流ながら、水彩画を描いています。思いついたことを、気の向いたままに、イサオなりに、深く掘り下げていきます。 ※お気づきの点、改善すべき点をどうぞお聞かせ下さい。

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