ガラパゴス

July 01, 2010

英語が公用語に 〜 日本ガラパゴス

ある時、中国系マレーシア人の知り合いから、「日本人はどうやってハリウッド映画をみるのか?」と聞かれたことがあります。香港でも中国語字幕のイギリス制作の番組を観たこともあるし、自国語の字幕付きTV・映画を観るのは当然なことと思っている私にはショックでした。

もっとショックなのは、…私だけかも…、最近は映画館の大きなスクリーンで観るハリウッド映画でさえ吹き替え版があるそうで、ビデオの小さな画面ならいざ知らず、英語あるいはフランス語等、原語の響きが重要に思えるのですが…、それだけ映像の動きが速く、動きと字幕を同時に見ることができない、ということでしょうか?

15世紀マレー半島にマラッカ王国が誕生、中国明朝の冊封体制に入り、ポルトガル、16世紀にはオランダに占領され、18世紀には地政学的要衝:マラッカ、ペナン、シンガポールの3海峡を含む全半島が英国領となります。イスラム教を国教とするも歴史的に中華圏に在り、英国統治下に於いては多くのインド人が流入、マレー系、中国系(華人)、インド系と多民族国家です。この民族間の共通言語として英語が在るようです。

日本ガラパゴス化同時期、一方の日本では、1543年ポルトガル人に依る「鉄砲伝来」に始まるヨーロッパ人との接触、信長は戦闘方法を変えただけでなく、続いてやって来たスペイン人:キリスト教(イエズス会)を抱き込んで反織田・仏教勢力:一向宗への対抗勢力として保護します。スペイン人の領土的野心に気付いた秀吉はキリスト教を禁教とし、天下を取った家康はこれを強化して鎖国政策をとり、以降、1853年「黒船来航」まで二百数十年続く太平の世が続きます。日本文化と言われるものはこの太平の世、江戸時代に完成されたと言われていますが、これが日本の「ガラパゴス化」の始まりだったのでしょう。

残念ながら、多くの日本人は、例え高等教育を受けているとしても、冒頭の彼のようにはいきません。日本のマスコミ(報道・出版)の流す情報は海外ニュースですらほとんど横並び、読者には情報を取捨選択する余地は限られています。

裏を返せば、新たな共通言語を必要とする異民族社会ではない、ということです。初・中等教育のお陰で識字率が100%に達し、日本の翻訳技術、マスコミのシステムが高度に発展している、それ以前に、「日本語」そのものが持つ言語能力(?)が高い、ということなのでしょう。明治時代の『「蛍の光(スコットランド民謡)』、『仰げば尊し(スコットランド民謡)』、『庭の千草(アイルランド民謡)』」等の小学校唱歌はほとんど日本の歌になってしまいました。日本語と漢文の深い教養があるからこそ可能だったのでしょう。

江戸時代における大衆文学の発展から見て、同時代の日本語の完成度は高く、識字率も相当に高かったのでしょうが、それに加えて支配層の「身につけるべき教養としての漢文」がありました。これが、明治以降、海外の先進制度・科学技術情報取得のための「英語」に代わりましたが、あくまでも「身につけるべき教養としての英語」の域を超えるものではなく、基本的には、過去何百年間、何ら変わっていないのではないでしょうか。英語は外交・教育・研究・学術・海外取引・翻訳・旅行・運輸・報道に従事する専門家が使う外国語で、彼らが噛み砕いて日本人受けするものにしたものを、下々の人間が、コストを払って「ありがたく頂く情報」という構図です。

日本も市場が拡大している間は問題ないのですが、人口は既に減少局面に入り生産年齢人口も市場は縮小しつつあり、日本企業は縮小する日本市場をだけを相手にしてはじり貧です。今後はASEAN市場に進出せざるを得ないでしょう。現にASEAN(東南アジア諸国連合)は近年、4.5%を越える目覚しい経済成長を遂げ、中でもトップを走るたシンガポール(1965年、マレーシアから分離独立)は2007年には国民一人あたりのGDPは、日本を抜いて、3.5万ドルに達し、購買力ともにアジアでトップとなりました。既に英語を身につけている東南アジアの優秀な労働者が、わざわざ一から日本語を学んで日本企業に入るでしょうか?

一方では福祉介護をはじめとする労働者不足を補うためには外国人労働者を受け入れなければいけませんが、日本語という原語障壁を乗り越えてまでガラパゴスに来てくれるでしょうか?

否応なくグルーバル化は進み、国家・民族間の共通言語:英語の重要性は増してきます。日本語を大事にしなければならないのは当然のこととして、思い切って、英語を国の第二公用語にすべきではないでしょうか?日産自動車が英語を公用語にして久しいですが、ここに来て楽天、ユニクロが英語を社内公用語に決定とは今日のニュースでした。

ガラパゴス的進化がこのまま進めば、やって来る生身の外国人労働者や旅行者に、映画の吹き替えのように、日本語をしゃべらせる端末機器でも開発されるのでしょうかね?

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express01 at 15:08|PermalinkComments(0)TrackBack(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote

January 29, 2010

エコノミック・アニマルの進化?草食系

その言葉は全くの死語になってしまったようで、久しく聞いたことがありません。馬は自分の後方に非常に敏感で、それが理由で馬車馬には前しか見えないように目隠しがされているそうです。その馬車馬の様に、戦後の復興・成長過程を、脇目もふらず駆け上った日本人は「エコノミック・アニマル」と呼ばれていました。その彼らが、自分の今までを振り返って、自らを投影したのが小説:『坂の上の雲』という訳です。

エコノミック・アニマルは老い、その子供達の世代は、今や草食動物、「草食系(男子)」と呼ばれているそうです。草食系は「酒は飲まずスゥィーツ、車も乗らない、セックスもいらない、海外旅行なんかしない、いわんやバックパッキングなんかとんでもない」ようです。

「今の若い者は…」と嘆くかつてのエコノミック・アニマルも、加齢には抗しきれず、目隠しを老眼鏡に替え、年金不安からか、「酒もチビチビ、車も高速道路を逆走、セックスもアニマルは昔、9時には就寝4時半起き」、どちらも今だけの、此処だけの「心地よいもの」を求める傾向のようです。
逃避
よく言えば日本も成熟したのでしょうか、国民全体が、「癒し」とか、なんで外国語にするのか判りませんが「スピリチャル」とか、最近言われる「内向き」傾向にあるようです。この「内向き」にはどうも消極性、陰性がつきまとい、「引きこもり≒後ろ向き≒後退≒逃避≒幼児化」とほとんど同義語で、否定的な意味合いが気になります。ケイタイのガラパゴス的進化、「MADE IN JAPAN 日本製」を全面に出した商品、「かわいい」デザイン、「和」のテイスト、社寺仏閣訪問、霊場・聖地巡り…等々。

「内向き指向」や「癒し指向」、まとめれば「草食系の自己愛」。90年頃からでしょうか、「海外から学ぶものはない」という思考と、グローバリズムの始まり、内を見れば第二の敗戦、バブル崩壊と期を同じくして始まったように思えます。とどめはリーマンショック。外からやってきた「災難」に、ただ、じーっと、頭を抱えて身を縮めるしかありません。

もちろん、「かわいいデザイン」も「和のテイスト」も本人の好みですから何ら問題ないのですが、「内向き」なガラパゴス的進化がケイタイに留まらず、思考・文化の領域にまで広がって来ているようです。進行すれば独善的、排他的な思考に落ち入る恐れもあるでしょう。

一方では、ちゃんとした日本語があるにもかかわらず、言語障壁故か、逆に「スピリチャル」、「リベンジ」、「ポジティブ、現状はネガティブでしょうが」…、カタカナ外国語が乱用されています。ひょっとすると、江戸、鎖国時代の「長崎の出島」のように、「外世界との窓口もちゃんと開いているよ…」とのシグナルでしょうか…。

窓、戸口はもっと大きく、そして外に出て、外世界を見なければ自己も見えません。そもそも、草食であろうが肉食であろうが、外に出て必要な食べ物を採って(捕って)来なければならないでしょう。

今回はエコノミック・アニマルになり損ねた人間の、今流行の「つぶやきtwitter-logo(ツイッター)」ではなく、「ぼやき」でした。

あまり好み…ではないのですが、とにかく元気がでます。草食系・肉食系・雑食系、かつてのエコノミック・アニマル、植物系、全ての生き物に贈ります。       "Born To Be Wild" by Steppenwolf



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今年も余すところ11ヶ月となりました。


express01 at 19:11|PermalinkComments(0)TrackBack(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote
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ISAO

映画・音楽・歴史、そして、自己流ながら、水彩画を描いています。思いついたことを、気の向いたままに、イサオなりに、深く掘り下げていきます。 ※お気づきの点、改善すべき点をどうぞお聞かせ下さい。

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