June 19, 2020

もう一人の大佐 Colonel Thomas Parker(その1)

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200621_Colonel Sanders カーネル・サンダース(Colonel Sanders)、本名ハーランド・デーヴィッド・サンダース(Harland David Sanders、1890 - 1980)はケンタッキーフライドチキン(KFC)の創業者。「秘密のレシピ」を開発、特許を取得した圧力フライヤーで鶏肉を調理する方法を開発しました。1935年(?)、彼の人気は高まり、ケンタッキー州知事から「Kentucky colonel(ケンタッキー大佐)」に任命されたのです。後に、全米、海外へ急拡大、1970年、日本にも進出しました。

 日本国内の店舗に立つFRP製の立像は、「カーネル・サンダース(Colonel Sanders)」と呼ばれていますが、ほとんどの人はこの「カーネル(Colonel)」を名前(given name)と誤解、姓:Sanders 名:Colonelと誤解しているようです。実は、カーネル(Colonel)は名誉称号「大佐」の意味で、おそらく日本では「名誉市民」はあっても、「名誉大佐」という言葉にはなじみがないことがその理由なのでしょう。1906年、デーヴィッド・サンダース(David Sanders)は16歳の時に年齢を詐称して陸軍に入隊、キューバにて輜重隊に勤務しました。しかし、彼は、大佐はおろか、一兵卒のままで除隊することになりました。

 アメリカにおいて 「大佐」という名誉称号を授与されたのは17世紀半ば(1600年代)の13の英国植民地に遡ります。「大佐」は、これらの13の植民地で暮らす貴族の称号として使われ、20世紀に入ってからは、知事が業績の在った民間人に使う名誉的、儀式的な地位として知られるようになりました。  ベンジャミン・フランクリン、ジョージ・ワシントン等、歴史上著名な人物の多くは、尊敬を集め、新しい砦や街(コミュニティ)を設立するには、政治家としてのキャリアの中で、民間人または民兵の「大佐」であることが重要でした。  独立戦争以前、それ以降を通して、「大佐」になることは非常に重要なことであり、特にアパラチア山脈を越えた未踏の地域でコミュニティを創始するには、「大佐」になることが非常に望ましいことでした。

 この名ばかりの「大佐」の地位は、当時、地主・領主階級は実際の指揮権(colonelcy)を持つこともなく、地元の民兵に資金を提供する名誉称号でした。「大佐」という肩書きの社会的使用には貴族的な色合いがあり、今日では南部の紳士を指すことが多く、昔からの南部の貴族に典型的なものです。今日でも、この称号を栄誉として授与する州は、ケンタッキー州、テネシー州、ミシシッピ州、サウスカロライナ州、ジョージア州、オクラホマ州、ルイジアナ州、ニューメキシコ州、ノースダコタ州、アラバマ州などです。

 ※ 因みに、現下の新型コロナ禍の中、ミネソタ州ミネアポリス市における白人警察官による黒人殺人事件に端を発して、アメリカの古傷のかさぶたが剥がれてしてしまい、一挙に「Black Lives Matter」運動に爆発しています。カントリーバンドLady Antebellum(レディー・アンテベラム)はグラミー賞(2010-2012)を受賞していますが、その名前Antebellumはラテン語の「ante(beforeの意味)」+「bellum(warの意味)」から「戦前の 戦争前の」、米国では「南北戦争前の」意味です。今回の事件でその名前が南北戦争前の黒人奴隷制度に蹂躙されたアメリカ南部を賛美する考えと関連していると批判されていました。今日、人種差別についての国民的な話題が高まっていることを受けて、レディーAに改名すると発表しました。しかし、この新バンド名が、シアトルのブルース歌手のAnita White(アニタ・ホワイト 61)が20年以上にわたって使ってきた名前と同じになってしまいました。現在、両者の間で話し合いが持たれていることがRolling Stone誌に報道されています。

 どうも、「大佐」も「人種問題」も、そしておそらく「カントリー・ミュージック」にも、南部諸州により色濃く昔の影響が残っているように思えます。

『もう一人の大佐 Colonel Thomas Parker(その2)』に続く。

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express01 at 20:15│Comments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Music | History_World

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ISAO

映画・音楽・歴史、そして、自己流ながら、水彩画を描いています。思いついたことを、気の向いたままに、イサオなりに、深く掘り下げていきます。 ※お気づきの点、改善すべき点をどうぞお聞かせ下さい。

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