January 17, 2010

坂の上の『雲』は何処へ行ったの?

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のぼっていく坂の上の青い天にもし 一朶(いちだ)の白い雲が輝いているとすればそれのみを見つめて 坂をのぼっていくであろう。哀愁の漂う後ろ姿-2

…この序章にはそぐわない、どこか、老臭ではなく…、哀愁の漂う後ろ姿です。→

年末のNHK大河ドラマの視聴率も19%と好調な滑り出しのようですが、司馬遼太郎によるこの歴史小説:「坂の上の雲」は1968年(昭和43年)から1972年(昭和47年)にかけて「産経新聞」に連載されました。戦国時代・幕末への興味は彼の小説に始まったのは私だけではないでしょう。特に、幕末から明治へ、世界は帝国主義の時代、小説:『坂の上の雲』は統一国民国家、近代日本を目指した革命(?)の時代、その成就に至る時代を描いています。

「どこからこんなに多くの逸材が出てきたのだろうか…」と思うように、登場するきら星のような人間群。幕末・明治にかけて、日本人は急にアドレナリンが体内を巡り、スイッチが別のモードに切り替わります。日本人・日本国全体がある種の高揚感に包まれた時代でした。それに加え、「さも、その現場で本人から直に聞いたような…」作者の語り口、臨場感、舞台を俯瞰するような、それこそドラマチックな仕立ては彼の最高傑作でしょう。

東京五輪音頭

敗戦のどん底からはい上がり復興を遂げ、時代は東京オリンピック(1964年)から大阪万博(1970年)、日本経済は頂点に達します。小説:『坂の上の雲』は世界の国からこんにちは 三波春夫まさに、この時代に発表されました。東京オリンピック・大阪万博に至る、日本人の成功体験を『坂の上の雲』の登場人物と重ね、人々がこの小説に感情移入するのはさほど難しいことではありませんでした。

戦後30年は、坂の上の雲どころか、一心不乱に坂を上ってきた日本人は、ふと気がつくと坂の上、峠にたどり着いていたのです。振り返れば、あれが峠、長い下り坂が続いています。

後にそう呼ばれる「団塊の世代」、かつて、『三丁目の夕日』で建設中の東京タワーを仰ぎ見た日本中の<古>行淳之介少年達は今や年金生活、かなり前に峠を越して、長い下り坂の続く日本、彼らはNHK大河ドラマ『坂の上の雲』をどう見ているのでしょうかね…。

ポール・マッカートニーはとっくの昔に還暦を迎えていましたが、彼の曲:「When I am 64」は同時代の<古>行淳之介少年世代だけではなく、その孫の世代、幼児向け番組の音楽として人気があるそうです。敢えて歌詞付きの動画を選びました。


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ご挨拶が遅れましたが、本年もよろしくお願い申し上げます。

express01 at 16:13│Comments(4)TrackBack(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote My Scrap Book | History_Japan

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この記事へのコメント

4. Posted by イサオ   January 18, 2010 12:38
KENさん コメントをありがとうございました。「つらいなあ…」は私の後ろ姿にも漂っているでしょう?
「うーん」、と考え込んでしまうコメントですね。
3. Posted by KEN   January 18, 2010 09:11
君が大好きな司馬遼太郎。あえて反論しませんが、やはり見ているということは少し気になる?つらつら思うにこの国の行く先は誰もわからない。この時代こそ偉大なる先達がほしい。と国民の大多数が感じている。司馬氏亡き後指針を示す誰かがほしい。イデオロギ−は他の国から仕入れるものとしか思っていないこの国は、坂を登りつめた時から「彷徨」の時代に突入した。つらいなあ。
2. Posted by イサオ   January 17, 2010 20:57
totokoさん コメントをありがとうございました。まさか、「となりの〜」ではないでしょうね?
楽しんでいただいてうれしく思っております。これからもどうぞよろしくお願いします。
1. Posted by totoko   January 17, 2010 19:21
初めましてtotokoです。私のPCが古いのと重たいのとで開くのに時間がかかりますが面白く見させていただいています。よろしくお願い致します。初投稿と言う事でご挨拶させていただきました。

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映画・音楽・歴史、そして、自己流ながら、水彩画を描いています。思いついたことを、気の向いたままに、イサオなりに、深く掘り下げていきます。 ※お気づきの点、改善すべき点をどうぞお聞かせ下さい。

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