December 2015

December 30, 2015

第7回 かってに、HKX紅白歌合戦

 私の人生にはもう少し余裕はありますが…、今年の幕を降ろす秒読みは始まっています。

 忘年会の一つがあり、久しぶりに街に出ました。東京都と神奈川県の境を流れる、文字通り、境川沿いに歩行者優先の自転車道を走って江ノ島からの復路、藤沢当たりの公園のベンチで休憩していると、話しかけてきたのが彼でした。Hさんは私より先輩ですが、昔はトライアスロン日本代表の一人として宮古島・ハワイ遠征の経験があり、恐れ多くも、そんな彼に藤沢の遊行寺、鎌倉の妙本寺を自転車で案内してもらったことがあります。一年を振り返ってみると、寒い冬、「暖かくなったら自転車に乗ろう」と思い、暖かく・暑くなってくると「涼しくなってから…」、と何かと自分に言い訳して…、今年は自転車に乗っても町田市止まり、電動アシストならともかく…、江ノ島・鎌倉なんて「とんでもない」と云うのが本音です。以来、自転車で知り合った彼ですが、大和か町田のどちらかで、忘年会だけが続いています。

 子供の頃、若い時には、今まで出来なかったことが初めて出来た瞬間…、ある種の感動にも似た経験をしたものですが、最近この歳になるとめっきり少なくなりました。はずかしいながら描き始めた「絵」が意外にも皆さんに喜んでもらい、最近は、自己流ながら、「楽しい」という領域にまで入って来たのは大いに感動に値する経験です。余談ながら、「知っているというのは、好むには及ばない。好むというのは、楽しむのには及ばない」と云うそうですが、「「楽しむ」とは主客合一の夢幻境、対象への「知」と「愛」、それを持って止揚した所に本物の揺るぎない「楽しさ」が誕生する(『遊びの構造論 』)」と続くのですが、私の場合は、もちろん、到底その域にまでは達していません。しかし、「絵」は自分の人生で見つけた最後の、そしてこれからの人生、いや、余生で最も重要な位置を占める予感がするのです。

 Nobuさんに誘われて40年ぶりに押し入れの奥から引きずり出したギターでブログにデビュー(『やってしまいした Sister Golden Hair(2008年1月)』、その数年後には初めてライブ・ステージに立ったのが還暦を過ぎてからのことでした。Nobuさんは他のカントリーバンドでスチールを弾くようになり、我々と違ってお金をもらえる立場、そのスケジュールが優先されるのは当然、Kunさんは現役で日曜日だけ、私はと云えば、2年目の管理組合副理事長で、理事会・住民を二分する大論争の最中で外すわけにもいかず、バンドのメンバーには何かと迷惑をかけています。

紅白幕_1

第7回HKX紅白歌合戦

紅白幕_1

 この1年、どんな新曲をやったのかを振り返ってみると、『Norwegian Wood』『Who'll Stop The Rain』も2014年の曲、2015年にはわずか1曲:『Woodstock』しかやっていなかったのを知って愕然としてしまいました。嬉しいことに、先日、以前のメンバーの一人、BaseのMaruさんが復帰して、文字通りBaseは曲の元・根幹であることを再確認させられたところです。ということで、今年の『第7回紅白歌合戦』のトリは、BaseのMaruさん復帰記念の『So Sad ( To Watch Good Love Go Bad)』です。ご存じ、Everly Brothersの古い曲で、もう少し練習すれば聞きやすくなることでしょう。

 私は、このギターの技量で感動を覚えることはほとんど不可能でしょうが、バンド活動は「楽しい」です。

 この一年、応援して頂きありがとうございました。皆さん、良いお年をお迎えください! 

さよなら
※参考:蘭田碩哉『遊びの構造論
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December 17, 2015

旅のつばくろ  W.S.ウォルコット・メディシン・ショー

 「さぁて、お立ち会い。ご用とお急ぎでない方はゆっくりとお聞きあれ。」の口上に始まる「ガマの膏売り」、行き着いたのが「バナナのたたき売り」でした。演技が終わり、店じまいしているどこか寂しい後ろ姿…、子供の頃、夕暮れの縁日で見かけた光景です。

 古代から中世にかかて医師も薬師も「くすし」と呼ばれ、彼らは密教の僧や修験者、あるいは陰陽師達が加持祈祷を伴って医療に従事していた。庶民には京都・大坂など大きな町の医者にかかるお金もなく、代わりに「薬」を売るとともに疾患の見立て・治療を行う「香具師(やし)」が現れます。「秘伝の妙薬」と称して、一方では修験者が深い山の中から採取してきた薬草(本草)、猟師が捕らえた熊など獣類の内臓を、干したり黒焦げにして捏ねた、「〜丸」・「〜丹」などの謎めいた妙薬・秘薬、鉛・水銀が原料のおしろい、紅花原料の頬紅などの化粧品を行商したのは、生産に携わらぬ、耕作地を持たない下層の人たちでした。仏前の香など、宗教儀式に古くから「香」は不可欠、アロマセラピーだけでなく、媚薬・催淫薬も売られていました。定住する生産者に蔑視されながらも、薬売りの行商は自らを「聖なる」儀式に関与する職業:「香具師(やし)」と呼んだのです。
居合抜き
 江戸初期には、諸国を巡る旅芸人は常設の芝居小屋で演ずることが出来なかったので、大道芸で生計を立てていました。この時期、商品経済が発展して市場競争が激化すると、薬の行商をする香具師も、客寄せのために遊芸人の大道芸を使うようになります。

 明治になると医薬業の抜本的近代化が行われ、今までの慣行を改めて、市場に出回る医薬品を免許制にして国家の統制下に置いた。医薬品を検査して、合格した業者だけにその販売を許す許可制としました。民衆は、効果でなじみのない西洋医薬よりも、従来の和漢の生薬に頼ることとなり、その傾向が最後まで残ったのが「ガマの膏売り」でした。長らくお目こぼしされていた「ガマの膏売り」も商売不可能となり、終いには「バナナのたたき売り」に転じて行きました。以降、「香具師」は「テキヤ」と呼ばれます。あの寅さんです。

 「旅のつばくろ〜♪」で始まる『サーカスの唄(1933(昭8)』、恥ずかしながら…、歌詞はともかく、メロディーだけはよく覚えています。国から国へと巡業するサーカス・旅芸人一座を歌った哀愁のこもった唄です。時代は少しずれますが、1940年代、子供だったレボン・ヘルムが記憶するアーカンソー州で見た旅回りの香具師楽団一座を元にロビー・ロバートソンが書いたのがこの曲です。
basement tapes

W.S.ウォルコット・メディシン・ショー by ROBERTSON, ROBBIE

手持ちぶさたで、行くところもないなら
ショーを観に出かけようぜ
そこには聖人と罪人
勝者と敗者

たぶんあんたが知りたいだろう人間の全て
一度知ったら、止められない
W.S. ウォルコット・メディシン・ショー ※1

あんたは知ってるさ
あいつはいつだってテントの中に囲ってるのを
もし、本もののそれをお探しなら
そいつが何処に行ったか教えてくれるさ

そこには若い祈祷治療師、もちろん女たらし
やつのまじないで病なんかは吹っ飛ぶよ
音楽は最高潮、あんたは我慢しなきゃだめ

クロンダイク・クルー・クラックス・スチーム・ボート・バンドを聞いて ※2
心配するなよ 思い出してしまうのかい
W.S. ウォルコット・メディシン・ショー

俺は何もなしで死ぬよりも、幸せに死ぬほうがいい
夢を持たない馬鹿な男のために

ブレア・フォックスホールを見に行こう ※3
彼女の歯にはダイアモンド
彼女の奥底には純金が

彼女はロックン・ロール・シンガー、本もののそっくりさん
何か、今までに見たこともないような 
一度見たら 忘れられない 
W.S. ウォルコット・メディシン・ショー


※1 & 3: 1940年代、子供だったレボン・ヘルムが見たF. S. Walcott Rabbits Foot Minstrels、歌手/ダンサー:"Diamond Teeth" Mary McClain 
※2: K.K.K.?

※資料:『遊芸人のいた風景 』『The Last Waltz
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December 03, 2015

隠居の道楽

 ブログのジャンルを「洋楽」としながら、一年を振り返ってみると、洋楽(=音楽)ネタはわずか3件、うち我々前期高齢者バンドの演奏をお聞かせできたのは、一人が抜けたままでどうも喪失感のぬぐいきれない「Woodstock, Back To The Garden」だけでした。

 メンバーの一人、Nobuさん(guitar、pedal steel)は仕事をしなくても好きな音楽活動三昧、もう一人のKunさん(drum)は現役にて仕事が楽しいらしく、遊んでいるわけにはいかない私からすればうらやましいお二人です。現役のKunさんに合わせて週末に練習するのですが、私が管理組合の仕事をするようになり、今年に入ってNobuさんがペダル・スチールで参加しているもう一つのバンドが演奏料をもらうようになりそのカントリーバンドの練習・公演を優先せざるを得なくなり、3人の日程の調整が難しくなりました。日程の調整が出来ず月一回の練習になると、張り合いも気も失せてしまいます。

伊能忠敬 江戸時代(元禄・化政)は町人の時代、「現役」の次にある「老い」という新しい人生を楽しむために「隠居」という「道」に入り「道楽」に没頭しました。それぞれ若くして家業を譲り、西鶴は俳諧・芝居(脚本)の世界に、広重・若冲は浮世絵・絵画に、伊能忠敬は天文・地図作りの世界に、 見方によっては、芭蕉も日本橋の平穏な暮らしを捨て、深川での隠遁・俳諧の世界に入りました。そこには今日で言う「老後」、老いた後の死ぬまでの間、という後ろ向きの意味は全くありません。

 その他多くの貧者達は、好むと好まざるにかかわらず生涯現役で在り続けなければなりません。老いるにつれて正月・節句・花見・お盆・月見など地域・村落社会の祭祀を執り行う「長老衆」という役回りを得ることは名誉であり、住民の尊敬を得ました。私の管理組合副理事長職もこれに当たるのでしょうかね…、ただ順番が巡って来ただけで、名誉でも尊敬でもなく、だれも好んではやりません。柳田国男の言う日本人の「ハレ」と「ケ」の世界観、日常生活を営むためのエネルギー:「ケ=気(生命力)」が枯れる、すなわち「ケガレ=気枯れ」は「ハレ=晴れ」の祭事・催事を通して回復するとされるといいます。

 話がわき道にそれますが、「ホモ・ルーデンス(遊ぶ人)」を著したホイジンガの説では、「遊び」の本質は「面白さ」、「面白さ」はそれ以上分解のできない根源的なものである。必要・不要の利害関係から離れ、善悪や美徳・背徳の価値の外にあり、非日常的な時間・空間にある。文化の中に遊びが含まれるのではない。遊びの中から文化が生まれ、文化は遊びのなかにある、という。「遊び」という言葉には、一般的に広く使われる本来の意味に加え、娯楽、時間つぶし、気晴らし、リラックス、見物、浪費、賭け事、怠惰、無職、の意味に加え、劇を演ずる、楽器の演奏する、歌を歌う意味を持つが、これは西欧言語に酷似し、例えば英語の「play」は演劇・演奏に限らずスポーツにも及び、日本語の「遊び」は工学上の「ゆとり」、遊学、外遊、漫遊など、本来ならば対立する「まじめ」な言葉にも用いられて興味深いところです。「遊び」は最高の「ハレ」ということが言えるのでしょうか。

 都市・町人に富が蓄積され、かつては一握りの貴族・富裕層が独占していた「教養」が「読み書き算盤」と出版の発展とともに一般化する「教養」大衆消費社会でした。勤勉と禁欲を持って奢侈への誘惑に耐え、自らの欲望を自ら律して家業に励む、西洋資本主義揺籃期のピューリタン精神と倫理観に酷似した倫理観を持つ町人社会が成立しました。つつましく(浪費を押さえ)、知恵を絞り、努力し、分別をわきまえ…、加えて、もし幸運に恵まれれば成功するが、好事魔多し…で、遊里・芝居・遊芸(趣味)の誘惑に負けてしまうのです。遊里・芝居は別の機会に譲るとして、遊芸は学問・芸術・文学・科学・技術・剣術…と極めて広範囲に渡り、社交・より良き人付き合いのための手段なのですが、深入りするとそれ自体が目的化、破滅・町人失格に繋がります。「分別」「分相応」が肝要です。隠居」は「遊芸」を「老いの楽しみ」に封じ込めてしまうのが本来の機能でしたが、芭蕉は「旅」という「遊び=?ハレ」に開眼、後に「おくのほそ道」という最高傑作を残すことになります。

 Maruさん(base)も復帰しました。私も来年には理事会を引退、日程だけは土日だけでなく、いつでも練習、もし声がかかればステージに上が上がり、日々のたまった「ケガレ=気枯れ」を落とさなければなりません。

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映画・音楽・歴史、そして、自己流ながら、水彩画を描いています。思いついたことを、気の向いたままに、イサオなりに、深く掘り下げていきます。 ※お気づきの点、改善すべき点をどうぞお聞かせ下さい。

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