July 2010

July 22, 2010

2001年、そして2010年宇宙の旅

35℃を越えているかも…、酷暑2001_space_odyssey_posterの「海の日」の休日、外へ出て行く気持ちにもなれず、ヘタなギターは15分がせいぜい、やることもなく、インターネットで昔の映画:『2001年宇宙の旅    2001:A Space Odyssey(1968)』を見てしまいました。

私がこの映画を見たのは大学生の時でした。大阪梅田発の阪急電車に乗ると右側にドーナツ上の宇宙ステーションを描いた大きな映画の看板が目に入ったのを良く覚えています。もちろん、看板にある封切り館で早々に見た訳ではありませんでしたが…。映画の冒頭のシーン、3〜4bone spinning百万年前、猿人が道具(武器)を手にした時に猿は、もはや猿人ではなく、人類(ヒト)となります。最初の道具(武器)、動物の骨を放り投げるとそれは空高く舞い上がり、月に向かspaceshipって航行する白い宇宙船に変わるシーンに流れるようにつながって行きます。3〜4百万年の人類の進化を十数秒で表現したものでした。

当時はマイクロソフトもアップルもこの世になく、IBMが最高性能のコンピュータでした。そのIBMの一歩先を行くコンピュータがHAL(ハル)が登場、ご存じの通り、IBMの各文字の一つ前のアルファベットがその名前の由来であることは、後知恵でした。このIBMを凌ぐHALが木星へ向かう宇宙船:ディスカバリーの中で反乱を起こすのですが、何故反乱を起こすのか、この映画におけるHALの役割は何なのか、どうもこの映画自体を理解することが出来ませんでした。

今回は、「若い頃は理解できなかったがこの歳になれば…」と、メモをとりながら、極めて真剣にこの映画を観たのですが…。

2001_space_odyssey_1「モノリス Monolith」と呼ばれる四角形の石柱が3回登場します。最初は、3〜4百万年前、神の啓示を受けたかのように「モノリス」の発する力によって、猿は人間に劇的に進化します。月への旅行が日常的になった現代、その月の地下に発見された2つ目の「モノリス」は人間を木星探査に導きます。それから18ヶ月後の2001年、宇宙船:ディスカバリーは木星に向かって深宇宙を航行しています。

宇宙船:ディスカバリーのクルーは5名。ボーマン船長とプール、残りの3名は木星到着後の任務遂行だけの要員で航行中は人口冬眠中です。そしてHALが宇宙船の全機能を完璧に制御しており、感情・情緒さえも備えるようになって来ています。
HAL
宇宙船:ディスカバリーはついに木星に接近、HALはこの木星探査への疑問をボーマン船長に打ち明けるようになります。そして、コンポーネント:AE-35の故障を契機にHALと人間は相互不信となり、ボーマン船長はHALの異常を疑い、彼の能力を航行機能だけに制限しようとするのですが、HALはその意図を察知して、まず人口冬眠中の3人の生命維持装置を停止させ、船外作業中のプールを殺害、残るボーマン船長はただ一人HALの攻撃をかわしてその機能制限に成功します。HALの反乱を乗り切ったボーマン船長はHALの記憶回路から18ヶ月前に発生した月での事件の真相究明が、この木星探査の目的であることを知ります。

巨大な木星を背後の宇宙空間に2001_space_odyssey_4第3の「モノリス」が現れ、ボーマン船長はそれがHAL(ハル)の記憶回路に繋がった彼の内面世界なのか…、それとも、時空間を飛び越えた世界なのか…、まばゆいばかりの光の洪水の中を荒涼たる地表を下に見て飛行します。10分はこのサイケデリックなシーンです。

宇宙服を着たボーマン船長は全く音のない、真っ白で、影の存在しない、何故かロココ風の一室に自分がいることに気付きます。ドアを開けると、後ろ姿だけしか見えないのですが、老人が一人ぼっちで食事をしています。宇宙服のボーマン船長はすでになく2001_space_odyssey_3、その老人こがボーマンであるという訳です。老人のボーマンがふとベッドに目をやると、老衰で死んでいくボーマン、そして、胎児のボーマン。ベッドの前には再び第3の「モノリス」が立っています。

「浦島太郎」の玉手箱では軽すぎますね。選ばれた人間(ヒト)であるボーマンに第3の「モノリス」は何を与えたのでしょうか?
HALは出発前から「モノリス」の存在を知っていますが、何故この木星探査に、どのような疑問を抱き、反乱に及んだのでしょうか?HALと「モノリス」との関係は…ひょっとしたら、敵対関係なのでしょうか?HALを主役に持ってきた意図は何でしょうか?
…ついでに、人口冬眠していた3人は、目覚めることもなく永眠してしまいますが…?

映画公開から30年を過ぎたこの歳になってもやはり理解することが出来ませんでしたが、現実の世界では、ディスカバリーの到達した木星軌道の内側、火星-地球軌道を横断する楕円軌道を回る小惑星:「イトカワ」探査の使命を果たし、満身創痍で地球に帰還した「はやぶさ 2010年 宇宙の旅」には感動しました。現実の「はやぶさ」は、映画の中のHALにはまだまだ及ばないのですが、コンピュータや機械システムを超越した存在に強烈な感情・情緒、そして人格さえも感じたのは私だけではなかったようです。

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July 11, 2010

サーフィンUSA Surfin' USA

金鳥の夏もうすぐ梅雨明け、日本の夏。「夏が来〜れば思い出す」、といえばこの曲:『サーフィンUSA Surfin' USA』。といっても、50歳代以上の世代に限られるとは思いますが…。

誰でも知っている曲、誰にも楽しんでもらえる曲、ということで、この曲をバンドで練習し始めて早1ヶ月が過ぎてしまいました。「そんなに難しくはないだろう」と当初はたかをくくっていたのですが、どっこい、そうは行きません。

ビーチボーイズ(The Beach Boys、テレビドラマではありません。…念の為に)の1963年のヒット曲で、チャック・ベリーの「Sweet Little Surfin' SafariSixteen」の盗作(?)、ではなくて、改作でした。ヒットを競い合ったビートルズに比べると、彼らの楽器演奏は上手いとは言い難いのですが、ことハーモニーに関しては、後にフォー・フレッシュメンに例えられるほどのコーラスグループです。

1963年といえば、ケネディーがベトナム戦争に本格的に介入、日米間テレビ宇宙中継実験に成功、そこに飛び込んできたのが彼の暗殺というニュースでした。キューバ危機はかろうじて事なきを得ましたが東西冷戦は激化、ルーサー・キング牧師指導の公民権運動が高揚した年でした。

そんなアメリカ国内外が激動した年、西海岸は別世界だったのでしょうか、夏を待ちきれない高校生サーファーをテーマに、サーフスポットを並べただけ、それこそ、アメリカ国内外、「Inside Outside USA」を繰り返し、「ぼさぼさのロングヘア、バギー・パンツにサンダル履き」とはあきれるほどの、いや、すがすがしいほどのノーテンキです。

このノーテンキな歌のリードが私、ハモをNobuさんとKunさんが担当します。1番と3番は4小節ごとにブレイクなのですが、その間は歌とバスドラだけ、2人のハモは「ウー」と「Inside Outside USA」なのですが別々の音を出さなければなりません。3人それぞれ自分の担当だけで精一杯、全く余裕がありません。マイク1本、ミキサーなしの録音という限界はあるにせよ、互いにつられまいとして、勢い、声が必要以上に大きくなり、目指している全体の「ハーモニー」に至る道程は険しいようです。

ここで目処をつけなければ、2週間後の次回練習日まで持ち越されてしまいます。「今年の夏には間に合わないのでは…」、不安が脳裏を過ぎる今回の練習、まだまだ完成度は高くはありませんが、思わず耳をふさぎたくなることはなさそうです。完成度はともかく、「夏までには…」という締め切り期限だけはかろうじてクリア出来たようです。

いくつになっても夏は待ち遠しいものです。



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July 01, 2010

英語が公用語に 〜 日本ガラパゴス

ある時、中国系マレーシア人の知り合いから、「日本人はどうやってハリウッド映画をみるのか?」と聞かれたことがあります。香港でも中国語字幕のイギリス制作の番組を観たこともあるし、自国語の字幕付きTV・映画を観るのは当然なことと思っている私にはショックでした。

もっとショックなのは、…私だけかも…、最近は映画館の大きなスクリーンで観るハリウッド映画でさえ吹き替え版があるそうで、ビデオの小さな画面ならいざ知らず、英語あるいはフランス語等、原語の響きが重要に思えるのですが…、それだけ映像の動きが速く、動きと字幕を同時に見ることができない、ということでしょうか?

15世紀マレー半島にマラッカ王国が誕生、中国明朝の冊封体制に入り、ポルトガル、16世紀にはオランダに占領され、18世紀には地政学的要衝:マラッカ、ペナン、シンガポールの3海峡を含む全半島が英国領となります。イスラム教を国教とするも歴史的に中華圏に在り、英国統治下に於いては多くのインド人が流入、マレー系、中国系(華人)、インド系と多民族国家です。この民族間の共通言語として英語が在るようです。

日本ガラパゴス化同時期、一方の日本では、1543年ポルトガル人に依る「鉄砲伝来」に始まるヨーロッパ人との接触、信長は戦闘方法を変えただけでなく、続いてやって来たスペイン人:キリスト教(イエズス会)を抱き込んで反織田・仏教勢力:一向宗への対抗勢力として保護します。スペイン人の領土的野心に気付いた秀吉はキリスト教を禁教とし、天下を取った家康はこれを強化して鎖国政策をとり、以降、1853年「黒船来航」まで二百数十年続く太平の世が続きます。日本文化と言われるものはこの太平の世、江戸時代に完成されたと言われていますが、これが日本の「ガラパゴス化」の始まりだったのでしょう。

残念ながら、多くの日本人は、例え高等教育を受けているとしても、冒頭の彼のようにはいきません。日本のマスコミ(報道・出版)の流す情報は海外ニュースですらほとんど横並び、読者には情報を取捨選択する余地は限られています。

裏を返せば、新たな共通言語を必要とする異民族社会ではない、ということです。初・中等教育のお陰で識字率が100%に達し、日本の翻訳技術、マスコミのシステムが高度に発展している、それ以前に、「日本語」そのものが持つ言語能力(?)が高い、ということなのでしょう。明治時代の『「蛍の光(スコットランド民謡)』、『仰げば尊し(スコットランド民謡)』、『庭の千草(アイルランド民謡)』」等の小学校唱歌はほとんど日本の歌になってしまいました。日本語と漢文の深い教養があるからこそ可能だったのでしょう。

江戸時代における大衆文学の発展から見て、同時代の日本語の完成度は高く、識字率も相当に高かったのでしょうが、それに加えて支配層の「身につけるべき教養としての漢文」がありました。これが、明治以降、海外の先進制度・科学技術情報取得のための「英語」に代わりましたが、あくまでも「身につけるべき教養としての英語」の域を超えるものではなく、基本的には、過去何百年間、何ら変わっていないのではないでしょうか。英語は外交・教育・研究・学術・海外取引・翻訳・旅行・運輸・報道に従事する専門家が使う外国語で、彼らが噛み砕いて日本人受けするものにしたものを、下々の人間が、コストを払って「ありがたく頂く情報」という構図です。

日本も市場が拡大している間は問題ないのですが、人口は既に減少局面に入り生産年齢人口も市場は縮小しつつあり、日本企業は縮小する日本市場をだけを相手にしてはじり貧です。今後はASEAN市場に進出せざるを得ないでしょう。現にASEAN(東南アジア諸国連合)は近年、4.5%を越える目覚しい経済成長を遂げ、中でもトップを走るたシンガポール(1965年、マレーシアから分離独立)は2007年には国民一人あたりのGDPは、日本を抜いて、3.5万ドルに達し、購買力ともにアジアでトップとなりました。既に英語を身につけている東南アジアの優秀な労働者が、わざわざ一から日本語を学んで日本企業に入るでしょうか?

一方では福祉介護をはじめとする労働者不足を補うためには外国人労働者を受け入れなければいけませんが、日本語という原語障壁を乗り越えてまでガラパゴスに来てくれるでしょうか?

否応なくグルーバル化は進み、国家・民族間の共通言語:英語の重要性は増してきます。日本語を大事にしなければならないのは当然のこととして、思い切って、英語を国の第二公用語にすべきではないでしょうか?日産自動車が英語を公用語にして久しいですが、ここに来て楽天、ユニクロが英語を社内公用語に決定とは今日のニュースでした。

ガラパゴス的進化がこのまま進めば、やって来る生身の外国人労働者や旅行者に、映画の吹き替えのように、日本語をしゃべらせる端末機器でも開発されるのでしょうかね?

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ISAO

映画・音楽・歴史、そして、自己流ながら、水彩画を描いています。思いついたことを、気の向いたままに、イサオなりに、深く掘り下げていきます。 ※お気づきの点、改善すべき点をどうぞお聞かせ下さい。

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