January 2010

January 29, 2010

エコノミック・アニマルの進化?草食系

その言葉は全くの死語になってしまったようで、久しく聞いたことがありません。馬は自分の後方に非常に敏感で、それが理由で馬車馬には前しか見えないように目隠しがされているそうです。その馬車馬の様に、戦後の復興・成長過程を、脇目もふらず駆け上った日本人は「エコノミック・アニマル」と呼ばれていました。その彼らが、自分の今までを振り返って、自らを投影したのが小説:『坂の上の雲』という訳です。

エコノミック・アニマルは老い、その子供達の世代は、今や草食動物、「草食系(男子)」と呼ばれているそうです。草食系は「酒は飲まずスゥィーツ、車も乗らない、セックスもいらない、海外旅行なんかしない、いわんやバックパッキングなんかとんでもない」ようです。

「今の若い者は…」と嘆くかつてのエコノミック・アニマルも、加齢には抗しきれず、目隠しを老眼鏡に替え、年金不安からか、「酒もチビチビ、車も高速道路を逆走、セックスもアニマルは昔、9時には就寝4時半起き」、どちらも今だけの、此処だけの「心地よいもの」を求める傾向のようです。
逃避
よく言えば日本も成熟したのでしょうか、国民全体が、「癒し」とか、なんで外国語にするのか判りませんが「スピリチャル」とか、最近言われる「内向き」傾向にあるようです。この「内向き」にはどうも消極性、陰性がつきまとい、「引きこもり≒後ろ向き≒後退≒逃避≒幼児化」とほとんど同義語で、否定的な意味合いが気になります。ケイタイのガラパゴス的進化、「MADE IN JAPAN 日本製」を全面に出した商品、「かわいい」デザイン、「和」のテイスト、社寺仏閣訪問、霊場・聖地巡り…等々。

「内向き指向」や「癒し指向」、まとめれば「草食系の自己愛」。90年頃からでしょうか、「海外から学ぶものはない」という思考と、グローバリズムの始まり、内を見れば第二の敗戦、バブル崩壊と期を同じくして始まったように思えます。とどめはリーマンショック。外からやってきた「災難」に、ただ、じーっと、頭を抱えて身を縮めるしかありません。

もちろん、「かわいいデザイン」も「和のテイスト」も本人の好みですから何ら問題ないのですが、「内向き」なガラパゴス的進化がケイタイに留まらず、思考・文化の領域にまで広がって来ているようです。進行すれば独善的、排他的な思考に落ち入る恐れもあるでしょう。

一方では、ちゃんとした日本語があるにもかかわらず、言語障壁故か、逆に「スピリチャル」、「リベンジ」、「ポジティブ、現状はネガティブでしょうが」…、カタカナ外国語が乱用されています。ひょっとすると、江戸、鎖国時代の「長崎の出島」のように、「外世界との窓口もちゃんと開いているよ…」とのシグナルでしょうか…。

窓、戸口はもっと大きく、そして外に出て、外世界を見なければ自己も見えません。そもそも、草食であろうが肉食であろうが、外に出て必要な食べ物を採って(捕って)来なければならないでしょう。

今回はエコノミック・アニマルになり損ねた人間の、今流行の「つぶやきtwitter-logo(ツイッター)」ではなく、「ぼやき」でした。

あまり好み…ではないのですが、とにかく元気がでます。草食系・肉食系・雑食系、かつてのエコノミック・アニマル、植物系、全ての生き物に贈ります。       "Born To Be Wild" by Steppenwolf



Support Me:
にほんブログ村 歴史ブログ 諸文化の歴史へ にほんブログ村 音楽ブログ カントリーミュージックへ  人気ブログランキング

Visit Us:        Hong Kong Expressもも
今年も余すところ11ヶ月となりました。


express01 at 19:11|PermalinkComments(0)TrackBack(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote My Scrap Book | History_Japan

January 17, 2010

坂の上の『雲』は何処へ行ったの?

のぼっていく坂の上の青い天にもし 一朶(いちだ)の白い雲が輝いているとすればそれのみを見つめて 坂をのぼっていくであろう。哀愁の漂う後ろ姿-2

…この序章にはそぐわない、どこか、老臭ではなく…、哀愁の漂う後ろ姿です。→

年末のNHK大河ドラマの視聴率も19%と好調な滑り出しのようですが、司馬遼太郎によるこの歴史小説:「坂の上の雲」は1968年(昭和43年)から1972年(昭和47年)にかけて「産経新聞」に連載されました。戦国時代・幕末への興味は彼の小説に始まったのは私だけではないでしょう。特に、幕末から明治へ、世界は帝国主義の時代、小説:『坂の上の雲』は統一国民国家、近代日本を目指した革命(?)の時代、その成就に至る時代を描いています。

「どこからこんなに多くの逸材が出てきたのだろうか…」と思うように、登場するきら星のような人間群。幕末・明治にかけて、日本人は急にアドレナリンが体内を巡り、スイッチが別のモードに切り替わります。日本人・日本国全体がある種の高揚感に包まれた時代でした。それに加え、「さも、その現場で本人から直に聞いたような…」作者の語り口、臨場感、舞台を俯瞰するような、それこそドラマチックな仕立ては彼の最高傑作でしょう。

東京五輪音頭

敗戦のどん底からはい上がり復興を遂げ、時代は東京オリンピック(1964年)から大阪万博(1970年)、日本経済は頂点に達します。小説:『坂の上の雲』は世界の国からこんにちは 三波春夫まさに、この時代に発表されました。東京オリンピック・大阪万博に至る、日本人の成功体験を『坂の上の雲』の登場人物と重ね、人々がこの小説に感情移入するのはさほど難しいことではありませんでした。

戦後30年は、坂の上の雲どころか、一心不乱に坂を上ってきた日本人は、ふと気がつくと坂の上、峠にたどり着いていたのです。振り返れば、あれが峠、長い下り坂が続いています。

後にそう呼ばれる「団塊の世代」、かつて、『三丁目の夕日』で建設中の東京タワーを仰ぎ見た日本中の<古>行淳之介少年達は今や年金生活、かなり前に峠を越して、長い下り坂の続く日本、彼らはNHK大河ドラマ『坂の上の雲』をどう見ているのでしょうかね…。

ポール・マッカートニーはとっくの昔に還暦を迎えていましたが、彼の曲:「When I am 64」は同時代の<古>行淳之介少年世代だけではなく、その孫の世代、幼児向け番組の音楽として人気があるそうです。敢えて歌詞付きの動画を選びました。


Support Me:
にほんブログ村 歴史ブログ 諸文化の歴史へ にほんブログ村 音楽ブログ カントリーミュージックへ  人気ブログランキング
Momo in Tiger
Visit Us: Hong Kong Express
ご挨拶が遅れましたが、本年もよろしくお願い申し上げます。

express01 at 16:13|PermalinkComments(4)TrackBack(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote My Scrap Book | History_Japan
Profile

ISAO

映画・音楽・歴史、そして、自己流ながら、水彩画を描いています。思いついたことを、気の向いたままに、イサオなりに、深く掘り下げていきます。 ※お気づきの点、改善すべき点をどうぞお聞かせ下さい。

Back Issues At A Glance
QR 携帯電話から読み取ってアクセス!
QRコード
Comments
ISAO's Bookshelf
人気ブログ ランキング
NINJA
Search