August 2008

August 13, 2008

「中華民族の百年の夢」 北京オリンピック


「中華民族の百年の夢」、北京オリンピックの開催が高らかに宣言されました。
鳥の巣オリンピックが中国を訪れたことを意味する足跡の形をした花火が、実はCGによる合成、9歳少女による「歌唱祖国」の独唱、これも「口パク」だったと判り、少々興ざめはしましたが、映画監督:張芸謀(チャン・イーモウ)がプロデュースした開会式は圧巻でした。巨大な人海戦術の波が「紙」、「火薬」、「活版印刷」、「羅針盤」の世界に誇る4大発明を軸に中国5,000年の歴史を再現します。

皮肉なことに、この4大発明が十数世紀の後、中国を屈辱的な近代史に落とし入れる結果となるのですが…、
これらの発明が西進、ヨーロッパに伝えられ、改良された技術は14〜15世紀に火薬・羅針盤・活版印刷を「ルネッサンス3大発明」と称されるものになるのですが、紙の製法と印刷術が聖書の大量生産を可能にし宗教改革を、書籍の流通がヨーロッパ近代思想を産むことに繋がっていきます。このヨーロッパ近代思想が羅針盤、航海技術の進歩と共に、16〜17世紀の大航海時代、それに続く18〜19世紀におけるヨーロッパ諸国による植民地争奪の時代に繋がっていきます。

巡り巡って、この歴史の大きな流れが近代中国に環流して来るのです。その象徴であるアヘン戦争の結果、1898年、中国は香港をイギリスに植民地として割譲、「永遠」とほぼ同義語の「99年間」を耐え、1997年に香港返還を実現しました。それから11年、領土返還という実務ではなく、今や全世界に自らの近代史を塗り替えたことを知らしめる壮大な儀式:「中華民族の百年の夢」を実現しました。何よりも大切な面子を取り戻したのですが、ルネッサンスは起こるのでしょうか。

孔子の言葉、「朋あり遠方より来たる、また楽しからずや(有朋自遠方来、不亦楽乎)。」が世界の人々への歓迎の挨拶でしたが、書き下し文から想像される、ノンビリした、牧歌的な雰囲気とは少々違うようです。

parasol on the beach
本業のHong Kong Express にもお越し下さい。


express01 at 20:47|PermalinkComments(0)TrackBack(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote My Scrap Book | History_World
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ISAO

映画・音楽・歴史、そして、自己流ながら、水彩画を描いています。思いついたことを、気の向いたままに、イサオなりに、深く掘り下げていきます。 ※お気づきの点、改善すべき点をどうぞお聞かせ下さい。

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